『風変わりな金髪娘』
B6版ISBN978-4-9908061-9-4 全194ページ

本書には、ポルトガルの近代小説に新境地を開いたエッサ・デ・ケイロース(1845-1900)の手による四編の小編が収められている。ポルトガルの映画監督マノエル・デ・オリヴェイラ(1908-215) が2009年に映画化し、日本でも『ブロンド少女は過激に美しく』というタイトルで公開された。蝋燭の明かりの下で、ガスも自動車もない時代に生きる西欧の人々の濃密な生き様が著者の鋭い筆致で描き出される。『風変わりな金髪娘』のほか、『風車小屋にて』、『文明』、『宝物』の4篇を収録。



【著者紹介】
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Eça de Queiroz
エッサ・デ・ケイロース(1845-1900)
ポヴォア・デ・ヴァルジン生まれ。コインブラ大学法学部卒。ポルトガルの写実主義文芸の創始者。大学卒業後は一時レイリーアの知事を務めるが、その後外交官として世界各地に赴任。ハバナ領事 (1872)、英国ニューカッスル、ブリストルを経てパリ副領事(1888-1900)。『風変わりな金髪娘』(1874)、『アマーロ神父の罪』(1875)、『従兄バジリオ』(1878)、『マイア家の人々』(1888)、『大官を殺せ』(1880)など。ブラジル、アフリカ諸国を含むポルトガル語圏で現代も広く親しまれている作家。映画化されている作品も多い。


【訳者紹介】

彌永史郎(いやながしろう)
1952年東京生まれ。東京外国語大学大学院修士課程ロマンス系言語専攻修了。在東京ポルトガル大使館翻訳官(1983-87)を経て、京都外国語大学教授。『ポルトガル語四週間』、『ポルトガル語発音ハンドブック』、『ポルトガル語動詞用法辞典』などポルトガル語学関係の著作・論文のほか、翻訳にはC.リスペクトール著『GHの受難・家族の絆』(共訳)、ラマーリョ・オルティガン著『ファルパス』(1986)、フェルナンド・ナモーラ著『たったひとつのオレンジ』(1986)、カルロス・デ・オリヴェイラ著『雨の中の蜜蜂』(1991)、エッサ・デ・ケイロース著『縛り首の丘』(1996) など。

表紙画・装丁
彌永ゆり子 
«Laura», 2019.