【翻訳者より一言】

(……)文芸以外にも、思えば知らず知らずに親しんできた西欧の十九世紀の芸術、とりわけゴッホ、モネ、ミュシャ、ロートレック、ドーミエなどの視覚芸術からベートーヴェン、メンデルスゾーン、ショパン、ビゼー、ドボルザーク、ドビュッシー、ヴェルディ、ラヴェルなどの音楽、ベル・エポックの申し子マヌーシュ・ジャズにいたるまで、我が国には西欧の芸術が溢れている。明治から昭和の初めにかけて、私たちの祖父や父親の世代が憧れた西欧の生き様をエッサの小説という窓を通して眺めることは翻訳者冥利に尽きる体験だった。(……)また新たな試みとしてインターネット上に公開されている各種ホームページをはじめ、パブリックドメインの画像、音楽などのリンクをQRコードで巻末に掲載し、読者の方々にスライドショー風のオーディオヴィジュアルな解説を工夫してみた。